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枯れ木も山のにぎわいNo.4




−土地・建物カウンセリング−

林 逸男     

 「地代を値上げできるとき」


借地料を倍額に!!
 福井平一(仮名)という男がやってきて再び山も枯木のにぎわいとなった。
 「どうぞ、お座り下さい」と応接セットの方へ福井を招いた。
 「借地料が非常に安すぎるので、今までの倍額にしてほしいと言われているんですがねえ。こんな無茶な話ってあるんでしょうか」
 福井は応接セットに深々と座ってから、こう切り出した。

欲深い長男
 福井の話を要約すると、親の代から飲食店を経営しているが敷地は借地で、父が同じ町内の石川新作(仮名)から借り受けた。ところが、3ヶ月ほど前に新作が死亡して長男の辰夫(仮名)が新しい地主となった。そこで辰夫が地代の倍額値上げを要求してきたというわけである。
 「息子の代になったからといって急に借地料を値上げするなんてできるんでしょうかね」
 福井は怒りにも似た気持を押し殺しながら、そう聞いてきた。

■法律に書いてある
 「地代はどのような時に値上げできるかということですがね。借地借家法という法律があって、その第11条に書いてあります」
と私が切り出すと
 「ふーむ。法律でそんなことが決まっているんですか? それで、どんな……」
福井が身を乗り出してきた。
 「土地に対する租税その他の負担が増えたとか……」
 「その、租税っていいますと?」
 「つまり、固定資産税とか都市計画税とかいう税金が高くなってきたとか……」
 「ははあ、なるほど。そういう税金は地主が払うわけですからなあ」

■ 土地の価格にも関係あり
「そうです。それから、土地の値打ちが高くなったとか、付近の土地の地代と比較してみたりして、従来の地代をそのままに据え置くことが不相当と認められる場合に地代を値上げすることができるわけでしてね」
 「ふーむ……」

■ 地主から一方的に値上げ通告
私の話にうなづく福井の顔色がややこわばってきた。
 「ところで先生! 借地料の値上げの額ですがね、地主の方で勝手に決めてしまうものなんですか。私の了解を求めてくる必要はないんでしょうか?」
 「もちろん、お互いの話し合いで解決することが大切なことはいうまでもありません。しかし、地代の増額請求には借地人の承諾を必要としないというふうに法律的には考えられているようですよ。『地代を金何円に値上げする』という通知が借地人に届いた時から、地代増額請求の法律的効果が発生するわけです」

■ 適当だと思う地代を払う
「ええっ、それじゃ地主からの値上げ要求額に私がどうしても承服できないとき、どうすればよろしいので……」
 福井は不安そうにいった。
 「地主の増額請求が不当に高いときには、あなたは自分が適当だと思う地代を支払えばよいことになっています」

■ 地主が地代を受け取らなかったら
「へえー。そんないい加減な……。そんなことをしたら石川の息子のことだから、借地料を受け取らんというかも知れんなあ……」
 「その場合には、最寄りの供託所に供託をすればよいんです。後日、裁判所で適正地代額がいくらであるかという判決が出たら、その時に精算することになりますがね」

■ ケンカはしたくない
「なるほど。しかし、そうなれば争いになってしまいますよ。石川の息子は鼻が高いから嫌いだが、やっぱり同じ町内同士だし、地主と借地人という関係はずっと続いていくわけなんだから、あまりケンカはしたくないですねえ」
 キタッ! 私は釣りエサに魚が食いついてきた時の感覚を覚えながら
 「そうです、そうです。信頼関係を大事にしたいですね。そこで最も大切なことは、適正な地代は一体いくらなのかということを把握することなんです。いよいよ、不動産鑑定士の出番なんですよ」
 とダメを押してみた。だが
 「あ、先生はそういうこともなさるんですか?」
 と福井の反応は極めて鈍いのである。

■ 不動産鑑定評価の依頼を!!
私は、不動産鑑定士が適正な地代を判定する専門家であることを一生懸命説明し、鑑定評価を利用することが“生活の知恵”ですよと力説した。
 「よくわかりました。一度石川の息子と話をしてみて今度は二人で先生の所にお願いにきますよ」
 福井は明るくそう言って、私の事務所を去った。
 その後、福井から電話があったが、鑑定料(私の報酬)が高すぎるとして、またまた鑑定評価の受注には至らなかったのである。

  平成12年9月

<バックナンバー>
No.1 枯木も山のにぎわい
No.2 隣の土地は3倍出しても買え
No.3 建物は宙に浮いては存在しない
No.4 地代を値上げできるとき
No.5 袋 地 の お 話
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